赤ちゃんに科学で返事、アップリカ葛西

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 〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓 2003年11月19日 〓〓〓〓〓〓 

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 ◆◆◆ 日経MJに見るマーケティングの戦略・戦術 265号 ◆◆◆

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     〜〜〜【マーケティング 今日のポイント】〜〜〜
            他者の土俵で戦っていないか。
       勝利するには、自分の土俵を新たに作ろう。

      〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 ━━━━━━━━━━ 2003年11月18日付日経MJ1面より引用 ━━━
 
 ■少子化などを背景に競合が激化するベビー用品市場。その中でアップ
 リカ葛西(大阪市、葛西得男社長)は、物言わぬ赤ちゃんを科学的、医
 学的に徹底的に研究、健康や安全、快適性を前面に押し出した商品群で
 需要を喚起する。

 ■11月1日、子供用品専門店「赤ちゃん本舗」の靴売り場に、アップリ
 カが初めて手がけたベビー用の靴「ラソック」が並んだ。

 ■決め手は、赤ちゃんの成長を守る機能性。各社が色、デザインや価格
 などを競う中で「脳と体の発育のためには正しい歩行の発達と土踏まず
 の形成が必要。そのためにははだしが一番。はだしに近い靴を作ろうと
 考えた」(下牧真専務)。

 ■徹底した分析に裏付けられた商品開発がアップリカの強さだ。「赤ち
 ゃんは思いをはっきり伝えられない。だからこそ考えなければいけな
 い」。創業者である葛西健蔵会長はこう力を込める。

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  ナルホド、ナルホド … ピンと来た!(^o^)
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 ●多くの消費者が、色やデザインのすぐれた靴を求めているとすれば、
 各メーカーは競い合ってそれに応える靴を作り、販売しようとするでし
 ょう。孫子の兵法では、そのような状況・場所を「争地」と呼び、先に
 得ることができた者に利があるとしています。

 ●しかし、その争地を敵に奪取されてしまったらどうすべきでしょうか。
 敵はそこで着々と要塞を築いたり、こちらの動きを見て一気にせん滅す
 るチャンスを狙っています。つまり完全に敵に主導権を握られてしまっ
 たわけですね。そういう場合、孫子は「争地を攻めてはいけない」と言
 っています。ならばそのまま引き下がるのでしょうか。

 ●さらに孫子はこう対処法を教えます。「そういうときは、敵がその地
 にいられないような状況を作り出せ」と。すなわち、他に別の争地を作
 ってしまえば、敵はそこにいられなくなります。例えば、対陣している
 敵に背を向けて、その親兄弟の里を攻めると見せかければ、敵はせっか
 くとった争地をあとにして出てこざるを得ません。

 ●大企業というのは、争地を奪取した企業だと言えます。中小企業があ
 とから争地を攻め、類似品を作って安売りするなどしても勝てるわけが
 ありません。孫子が言うように、争地を別の場所に作り出すという工夫
 をしなければならないのです。

 ●アップリカ葛西では、色やデザインという争地を捨て、「赤ちゃんの
 成長を守る機能性」という地点を奪取しました。会長の葛西健蔵さんの
 「赤ちゃんは思いをはっきり伝えられない。だからこそ考えなければい
 けない」という言葉は、若いお母さんたちの心を打つことでしょう。

 ●また、同社の試みは、とかく顧客の言葉に頼りがち、あるいは振り回
 されがちな企業に反省を促すものでもあると思います。もちろん顧客の
 意見を聞くことは推奨すべきことではありますが、あくまでも新商品や
 新サービスは企業の洞察力の深さから生み出すべきものであって、顧客
 のアイデアをそのまま採用してできるものではありません。

 ●現象・事実を徹底的に掘り下げたところに、清水が湧き出てくるもの
 です。同社の場合、相手が赤ちゃんだから顧客の声を聞きようが無く、
 自らの主体性と創造性をフルに発揮しなければ、高い機能をもつ商品は
 できません。この商品開発は、思考力を高めるのにもってこいです。

 ●同社では商品開発をするに当たり、データを見て、自分の頭で徹底的
 に考え抜いていることでしょう。今のほとんどの日本人の思考は、偉い
 人が言ったことをなぞるだけになっています。自分の意見を主張するの
 ではなく、「竹村○○はこう言った」「大前△△はこう主張している」
 というような権威にすがり、「自分もそう思う」というだけですね。こ
 れではいつまでたっても、真の思考力は身につきません。

 ●ちょっと話がそれましたが、企業の中にこのような思考のあり方の基
 本が根付いているかどうかは大変重要です。マーケティング以前の問題
 です。この記事から、アップリカ葛西にはそれが確かにあると感じ取れ
 るのです。葛西さんの「考えなければいけない」という言葉をかみしめ
 ましょう。この人がリーダーだからこそ、別の争地を作り出せるのです。

 ――――――――――――― 今日はここまで (^o^) ―――――――

 ■■■ちょっと一言

 争地は、孫子の兵法第11篇「九地」の中の1つです。九地は地形の意味
 もありますが、むしろ置かれた状況を表しており、この篇には、九つの
 異なった状況に置かれたときの基本的対処法と、その状況の活用方法が
 書かれています。

 さて、孫子の兵法に書かれている知識を暗記したとして、それで人生す
 べてうまくいくでしょうか? 

 例えば昔の武将はたいてい孫子は勉強していますが、勉強しているもの
 同士が戦ったらいったいどうなるでしょう。どちらも勝つ? そんな馬
 鹿なことは無いですね。必ず勝者と敗者に分かれます。私たちが営業の
 仕方を同じ先生に習っても、営業成績に差がつくのと同様です。

 テキストは魔法の杖ではありません。どうしても、自分の頭で考え抜く
 ことが必要となります。どれだけ深く考えたかで差がつくのです。テレ
 ビで偉い人の考え方をいくら聞いても自分の頭はよくなりません。本を
 読んだり、紙と鉛筆を用意してメモや図を書いたりする方が余程よいで
 しょう。(#^.^#)

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