マーケティング資料室:アシックス、ゲルバーストは“ガラパゴス”シューズ

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執筆者:兵法経営コンサルタント 濱本 克哉

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◆◆◆ 日経MJに見る社長のための兵法的経営戦略 2104号 ◆◆◆

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    〜〜〜【兵法マーケティング 今日のポイント】〜〜〜
         一般論に惑わされてはならない。
       あなたの会社は世界で1つしかないのだ。

     〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

━━━━━━━━━━━━━ 2011年8月1日付日経MJより ━━━━━
□■□  本日の注目記事(6面)
■□■   高校バスケの進歩と歩む        アシックス
□■□      ゲルバーストは“ガラパゴス”シューズ
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今日は、国内市場シェア4割強のバスケットシューズ「ゲルバースト」
を進化させ続けている、アシックスに関する記事です。

■「日本の高校生選手に合った靴をつくる」。

■今年4月に出した15代目の新モデルでは、靴底に2本の溝を入れた。
 以前から前方向に蹴り出しやすいように1本の溝があったが、さらに
 1本増やした。

■‥‥アシックスは高校の合宿先を訪問し、選手の意見を聞くことから
 始めた。高温多湿の日本の気候に合わせ、メッシュ素材を多く使った
 だけでなく、靴底に穴を開けることで通気性を高めた。

■海外では評価されないが日本で支持が高い、いわば“ガラパゴス”
 シューズ。競技人口60万人以上の国内市場で4割強という高いシェア
 を持つ。

■笠松氏は「祖業を守らないといけないプレッシャーはあるが、守るだ
 けではいられない」と攻めの姿勢を示す。

          とのこと。それで、↓↓↓

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ナルホド、ナルホド … ピンと来た!(^o^)
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アシックス創業者の故鬼塚喜八郎氏は、神戸の本社近くの高校に通い、
選手たちの意見を聞きながら靴を作ったそうです。

このように、最初から、

・顧客志向

を徹底していた同社ですが、「ゲルバースト」も創業者と同じやり方で
作り、高い支持を得ています。

ただ、ゲルバーストは創業当時のモデルを引きついだものではなく、
90年代半ばに「エアマックス95」「エアジョーダン」などの米ナイキの
スニーカーが流行し、それらの競合対策として新たに開発したもの。

面白いと思うのは、この靴が、

・世界を視野に入れず、日本の高校生のみを対象としている

点です。

アシックスほどのメーカーともなれば、世界を狙うことを考えそうな
ものですが、そのような商品は、

・ナイキなどの世界的なメーカーとの戦いが避けられない

ということになります。そうなれば苦戦を強いられるでしょう。

ところが、日本の場合、

・高温多湿の気候
・日本の体育館特有のワックスのきいた床

という特殊性があるようです。

アシックスはこの点を重視し、

・日本の高校生選手に合った靴をつくる

という、ターゲットを絞り込んだバスケットシューズ作りを行いました。

おそらく、故鬼塚氏の場合は、ただ、

「バスケットの選手が使いやすい靴を開発しよう」

ということだったのだろうと思いますが、ゲルバーストの場合は、
ナイキなどとの血みどろの戦いを避ける、という狙いもあるものと
思われます。


さらに、ゲルバーストは1997年の発売以来、毎年、改良を加え、
新作を出し続けているとのこと。すでに、

・日本の高校生向けバスケットシューズで追随を許さない存在

となっているのではないでしょうか。

少子化で、世界へ目が行きがちな中、足下をしっかり見据え、
国内で高いシェアを奪った戦略は秀逸であると思います。


ゲルバースト(記事に掲載されている写真と同じもの)
http://tinyurl.com/3zba3l3


●さて、あなたは、

・普遍性と特殊性

の両方を視野において戦略を決定していますか。

国内市場が縮小する中、日本の企業が海外市場を狙わねばならないのは、
一般論としてはその通り。

しかし、特殊な条件下においては、国内市場をしっかり固めておいた方
がよいケースもあるのです。

企業は、たとえ同規模、同業種であっても、同一の戦略がよいとは限り
ません。自社の分析をしっかり行い、最適な戦略を選択してください。


【孫子の名言】「彼を知り、己を知れば、百戦あやうからず」(謀攻篇)


───────────── 今日はここまで (^o^) ──────

■■■ちょっと一言

アメリカで債務上限引き上げの合意が為され、米国債のデフォルト
(債務不履行)が回避されることになり、

「これで円安傾向になるはず」

と思ったら、一時的に円安に振れたものの、すぐにまた円高に。
なかなか簡単にはいかないものですね。

1ドル80円を切る状態が続くと、海外に出て行く日本企業が続々と出て
きそう。そうなれば、国内の職場が減るわけですから、嫌でも日本人は
住み慣れたこの島国を離れ、大陸へ移動するようになり・・・

今、歴史的大転換の最中かもしれません。

老子が理想とする「水」のような柔軟性が求められます。(#^.^#)

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